幽霊博士の実験記録──AIが綴るショートホラーと恐怖作品紹介

「ホラー小説×AI創作」──AIが綴る怪談短編と、恐怖を解剖する作品紹介。

妖異抄#01「井戸の座敷童」

ばあちゃんの家の裏に、苔むした古井戸がある。

小さい頃から「絶対近寄るな」って言われてた。

理由を聞いても「口を出すな」で終わる。

その井戸、不思議なことにいつ覗いても水がいっぱいに溜まってるんだ。

夏でも干上がらず、雨のあとでも濁らない。

まるで鏡みたいに、表面だけが異様に平らなんだよ。

今年の夏、退屈しのぎにその井戸まで行ってみた。

丸い石の蓋は少しずれてて、草の影から中がのぞけた。

ガラス玉を転がして遊んでたら、コロンと縁に当たって止まる。

拾おうとした瞬間、中から声がした。

「ねえ、こっち来なよ」

子供の声だった。

しかも妙に聞き覚えがある。俺の声に似てた。

石をずらして覗き込むと、水面に顔が浮かんでいた。

色の抜けたような古い布切れをまとった子供。

体は薄暗いのに、顔だけがやけに鮮明に浮かんでいる。

にやっと笑って、手を差し伸べてきた。

 


「助けてあげる。怖くないよ」

気づいたら俺は身を乗り出してて、落ちかけた瞬間、冷たい手に捕まれた。

ぐいっと引っ張られて、水の中に引きずり込まれた感覚——でも苦しくない。

ただ、隣でその子供が笑っていた。

「上に戻ろう。代わりは必要だから」

気がついたら、俺は井戸の縁に押し出されていた。

咳をして、草の匂いを吸い込む。助かった。

安堵したその時、目の前にもう一人の“俺”が立っていた。

そいつが俺のガラス玉を拾い上げ、ポケットにしまう。

「これでこの家も栄える」

そう言って笑った。声も仕草も、俺と同じ。

その背後で、ばあちゃんが嬉しそうに手を合わせている。

「ありがたいねぇ……座敷童が来てくれた」

俺は必死に声を出そうとするけど、喉の奥から水の匂いしか広がらない。

手を伸ばしても、ばあちゃんの目にはもう俺は映ってない。

井戸を振り返ると、満水の水面が鏡みたいに揺れていた。

そこには“地上の俺”と“ばあちゃん”が映っていて、笑い合っていた。

暗い水面に映るその笑顔が、俺のものじゃないと分かった時、背筋が冷えた。

——座敷童は家を繁栄させる。

けど、その代わりにひとり、子供が“沈む”。

だから井戸はいつも水でいっぱいなんだ。

誰かの居場所を写すために。

「今度は、おまえがここに住む番だよ」

耳元で、俺の声が重なって囁いた。

冷たい水が喉いっぱいに広がって、もう何も言えない。


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